5.2 東京ドームで新日本プロレスが遂に何でもありの総合格闘技に足を踏み入れるという。
新日本での初の総合格闘技戦というだけで、注目度は高いが、どのカードも話題性を持ち合わせていると言える。まず、パンクラスの選手が初めて新日本のリングに上がる。先のパンクラスの興行で新日本のライガーが鈴木みのるとパンクラスルールで戦ったのは記憶に新しいが、今度はプロレス経験のないパンクラスの謙吾が新日本のリングで、これもプロレス経験がなくプロデビューとなるLYOTOと総合格闘技ルールで対戦する。先日、ライガーと対戦したパンクラスの鈴木みのるがパンクラス内でプロレス部門を作り、鈴木自身も新日本のリングに上がることを発表したばかりだが、今回のこの試合、両者ともプロレスの経験は皆無といってもよい選手だけにヴァーリ・トゥードになるのか、VT的プロレスになるのか、どんな試合になるのか想像もつかない。いずれにせよ、良い意味で裏切ってほしい。
現役横綱・朝青龍や新日本のブルーウルフの実兄であるスミヤバザルのデビューも見逃せない。朝青龍やブルーウルフが口をそろえて「兄には全くかなわない」というほど、高い格闘センスの持ち主だと言う。実際、レスリングの五輪代表にもなっており、モンゴル相撲でも関脇になっている。現在、日本格闘技界をゆっくりとしかし確実に脅かしつつあるモンゴル軍団の長に対するのは元リングスの高阪。高阪は新日のリングでプロレスは一試合経験済みだが、リングスのKOKやUFCでの総合格闘技の経験の方が圧倒的に多い。プロレスではなくヴァーリ・トゥードとなれば、高阪有利は間違いないが、いずれにせよ、果たしてスミヤバザルがどんな試合を見せるのか注目だ。
米国におけるヴァーリ・トゥード系のメジャーな大会であるUFCの元ヘビー級王者であるバーネットとKOC(キング・オブ・ザ・ケージ)の現ヘビー級王者であるアンブリッツの試合もどうなるのか読めない。又、これが総合格闘技戦初体験の中西の試合も興味深い。以前、新日本のリングで小川直也が橋本真也にセメントを仕掛けた際に一番に小川に真正面から詰め寄った中西。喧嘩度胸とアマチュアでの実績など新日本の中で最もヴァーリ・トゥード向きと思われる中西だが、元同門の藤田を相手にどんな試合をみせるのだろうか。
もちろん、本道のプロレスにも注目カードがそろった。中でも特に注目すべきはノアの小橋が新日本に初参戦でいきなりGHC防衛戦を決行。長い休場中にライバルの秋山に新日参戦については先を越された感じだったが一気にインパクトを残し、挽回必至だ。
5.2 新日本 東京ドーム大会 対戦カード(試合順は未定) | |||
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総合格闘技ルール | LYOTO (猪木事務所) | VS | 謙吾 (パンクラス) |
総合格闘技ルール | ドルゴルスレン・スミヤバザル (モンゴル、フリー、横綱朝青龍の実兄) | VS | 高阪 剛 (チーム・アライアンス) |
総合格闘技ルール | 中邑 真輔 (新日本プロレス) | VS | ヤン “ザ・ジャイアント” ノルキヤ (K-1選手 南アフリカ スティーブス・ジム) |
総合格闘技ルール | ジョシュ・バーネット (元UFCヘビー王者 米国 AMCパンクレイション) | VS | ジミー・アンブリッツ (KOCヘビー級王者 米国 トッド・メディナズ・ファイトスクール) |
総合格闘技ルール | 中西 学 (新日本プロレス) | VS | 藤田 和之 (猪木事務所) |
プロレスルール | ケン・シャムロック (米国 ライオンズデン) | VS | 飯塚 高史 (新日本プロレス) |
プロレスルール | エンセン井上 (PUREBRED大宮) | VS | 村上 和成 (魔界倶楽部) |
次期IWGPヘビー挑戦者決定戦 | 天山 広吉 (新日本プロレス) | VS | U-30優勝者 (4.23 広島で決定) |
IWGPジュニアヘビー級タッグ選手権試合 | 王者組: 金本 浩二 獣神サンダー・ライガー | VS | 挑戦者組: ヒート タイガーマスク |
GHCヘビー級選手権試合 | 王者: 小橋 建太 (プロレスリング・ノア) | VS | 挑戦者: 蝶野 正洋 (新日本プロレス) |
IWGPヘビー級選手権試合 | 王者: 永田裕志vs安田忠夫の勝者 | VS | 挑戦者: 高山 善広 (高山堂) |