色々なテーマが含まれた今大会。7試合中、5試合がKOもしくはギブアップで完全決着。他の2試合もはっきりとした判定できまり、観客には非常に分かり易いある意味興行としては良い結果となった。
第7試合 1R10分、2R/3Rは5分 |
ロシア ロシアン・トップチーム所属 現ヘビー級王者 |
1R 4分17秒 | 日本 猪木事務所所属 |
エメリヤーエンコ・ヒョードル |
タップアウト チョークスリーパー |
藤田 和之 |
日本重量級の砦、藤田が現役王者ヒョードルに真っ向勝負で挑んだ。激しいパンチの応酬で藤田はヒョードルをぐらつかせ、ヒョードルをカットし流血させ、あわやと言うところまで追い詰めたが、最後は王者のパワフルなパンチに倒れ、強引なチョークスリーパーの前に轟沈した。藤田ノールール戦初のギブアップ負け。よいコンディションで真っ向勝負での敗北だけにショックは隠し切れない藤田だが、今後もノールール戦継続参戦を宣言した。 |
第6試合 1R10分、2R/3Rは5分 |
クロアチア クロコップ・スクワッド所属 |
1R 3分17秒 | 米国 ゴールデングローリー所属 |
ミルコ・クロコップ |
KO パンチ連打 |
ヒース・ヒーリング |
ミルコは初の正式なPRIDEルールへの挑戦だ。しかも、相手は前回こそ勢いに乗るヒョードルに完敗したものの、トム・エリクソン、エンセン井上、マーク・ケア、ボブ・チャンチンと並居る強豪を打ち破り、ノゲイラとも接戦を繰り広げたヒーリング。PRIDEのヘビー級ベスト5には確実にはいる強豪だ。そんなヒーリングを相手に初挑戦の正式ルールでどうミルコは戦うのか注目された。そんな混戦が予想されるなか、結果はミルコの圧勝。掴まれて倒されやすいミドルは総合格闘技では敬遠されがちだが、ミルコのミドルは違っていた。なんとミドルでヒーリングをダウンさせ、倒れたヒーリングに上からパンチの乱打であっさり仕留めた。K-1でサップをKOし、PRIDEでヒーリングに完勝。限りなく不可能に近いと思われるK-1とPRIDEの2冠王もこの男なら可能に思えてくる。ミルコはどこまで強くなっていくのか。 この勝利でほぼヒョードルの持つ王座挑戦が確実になったミルコは、メインのヒョードルvs藤田戦で藤田のパンチでぐらつくヒョードルをみて「自分のパンチだったら試合が終わっていた」とヒョードル戦での勝利の確信を高めていた。 |
第5試合 1R10分、2R/3Rは5分 |
米国 ハンマーハウス所属 |
3R終了時 | 米国 フリー |
マーク・コールマン |
判定 3−0 |
ドン・フライ |
ミドル級王者ヴァンダレイ・シウバも以前から見たかったというこのカード。7年程前にUFCで実現し、ファンや関係者を唸らせた当時のアルティメット王頂上対決はコールマンが制していた。その頃のコールマンは今より技術的にはまだ未熟だったが、肉体的かつ勢いは当時が全盛期だったと思われる。ドン・フライも全盛期だったが惜しくも敗れ、それ以来リベンジのチャンスを待っていた。ファンも待ち望んだ再戦。米国でのペイ・パー・ヴューを意識したカードだが、VT界を以前から見てきたファンにとっては夢の再戦だった。結果はまたもやコールマンが判定勝ち。戦いにも対戦相手との相性がある。AがBに勝ち、BがCに勝っても、必ずしもAがCに勝てるとは限らない。怪我から立ち直り再浮上してきたコールマンといつも男気のある戦いを見せるフライ。このベテラン2人の活躍が今後の米国進出へのポイントを握っているとも言える。 |
第4試合 1R10分、2R/3Rは5分 |
米国 チーム・パニッシュメント所属 |
1R 6分26秒 | ロシア ロシアン・トップチーム所属 |
クイントン“ランペイジ”ジャクソン |
KO パンチ連打 |
イリューヒン・ミーシャ |
PRIDE初参戦の元リングスの番人ことミーシャが久々に日本の格闘技シーンに帰ってきた。しかし、相手はいきなりジャクソンだ。ジャクソンは次期ミドル級王座挑戦者候補NO.1の勢いに乗る選手。ミーシャは上になられても得意の下からの関節技を狙うがきまらず、ジャクソンのグランドでのひざ連打にタップアウト。後輩のヒョードルが活躍する中、厳しいPRIDEデビューとなった。 |
第3試合 1R10分、2R/3Rは5分 |
オランダ ゴールデン・グローリー所属 |
1R 3分44秒 | 米国 クロコップ・スクワッド所属 |
アリスター・オーフレイム |
KO パンチ連打 |
マイク“バットマン”ベンチッチ |
海外でのノールール戦でも勝利を重ね勢いづくアリスターはヴァレンタイン・オーフレイムの実弟。対戦相手は急遽変更されたが、クロコップの総合系コーチを務めるベンチッチからあっさり膝蹴りとグランドでのパンチでKOを奪った。アリスターはオランダからの久々の注目株だ。 |
第2試合 1R10分、2R/3Rは5分 |
日本 フリー |
1R 8分33秒 | ブラジル シュート・ボクセ・アカデミー所属 |
高瀬 大樹 |
タップアウト 三角絞め |
アンデウソン・シウバ |
病気など多くの困難から這い上がってきた高瀬。PRIDEのリングで自分の何倍も体重があるヤブローを完璧に仕留めてからかなりの月日が流れていた。その高瀬の表舞台への復帰の野望の前に立ちはだかったのはシュート・ボクセでヴァンダレイと同門のアンデウソン・シウバ。あの修斗の無敗だった桜井にも土をつけニュートンをもKOし同階級では最強の呼び名が高いアンデウソン・シウバ。しかし、そのアンデウソンにグランドでの攻防の中、瞬時に三角絞めを極め、高瀬が激勝!!今後、ミドル級の最前線に高瀬が踊り出てくるのは確実だ。 |
第1試合 1R10分、2R/3Rは5分 |
日本 高田道場所属 |
3R終了時 | ブラジル グレイシー・バッハ・アカデミー所属 |
浜中 和宏 |
判定 3−0 |
ニーノ“エルビス”シェンブリ |
ここでもミドル級の次期日本人エース候補が誕生した。アマチュアレスリングで五輪を狙える位置にいたエリートの浜中。高田道場で桜庭たちに揉まれ、素質や気性が総合向きと高田代表も太鼓判を押す選手。しかし、何せノールール系マッチではデビュー戦。しかも、相手は柔術界ではヒクソンの再来とも言われ、前回兄弟子の桜庭にバッティングのアクシデントがらみとは言え、KO勝ちした強豪だ。PRIDEも日本のエース候補に厳しい試練を与えるものだと思いきや回りの期待以上の潜在能力を浜中が発揮し、なんとシェンブリを圧倒。見事判定ながら完勝。狙いはいきなりミドル級GP参戦だ。今、ミドル級が熱い。 |