ミドル級グランプリのトーナメントなのでオールスターになるのは当たり前といえば当たり前だが実力、実績、ネームバリューを兼ね備えたトップファイター達が揃った贅沢な興行に加え、ヘビー級のワンマッチもオールスターのカードが揃いそうで実現すれば色々な意味で間違い無くPRIDE史上最大級の興行に成るに違いない。選手へのギャラや賞金のトータルも最大級になるだろう。
桜庭vsシウバ―言わずと知れた3度目の因縁マッチ。2回連敗し後が無い桜庭がどんな戦いを見せるのか。
ジャクソンvsアローナ―プライド初参戦でホームレスとまで言われた恵まれない環境の影響からだったか、パワーボムなど力技で桜庭を追い詰めたが負けてしまって以来、負けなしの快進撃を続けるジャクソン。K-1ルールでもその強さを発揮し、ただのパワーファイターからテクニシャンのトータルファイターへと変貌しつつある。対するアローナはアブダビコンバットで98キロ以下級及び無差別級の2階級を制覇し、寝技世界一の称号を欲しいままにし、リングスのミドル級トーナメントも難なく制して王者になり、プライド参戦後もメッツアーやヘンダーソン、シュートボクセの新鋭ニンジャ達トップファイターを連覇するブラジリアン・トップチームのミドル級の切り札。どちらが勝つか予測不能で目が離せない。
吉田vs田村―柔道の遺伝子とUWFの遺伝子による異種格闘技戦といったところか。柔道と同様、総合でもその才能を発揮する吉田と総合的に天才と呼ばれてきた田村。試合の行方は田村がプライドルールで日本人選手相手にどこまで非情になれるかで決まってくるに違いない。
オーフライムvsリデル―実兄ヴァレンタイン、シュルト、ヒーリング、アイブルとトップファイターがひしめくグローリーの期待の新鋭アリスター・オーフレイムに対するはUFCの元ミドル級王者だったチャック・リデル。あのメッアーをプライドのリングで戦慄のKOに葬っているリデルのトーナメント参戦により総合格闘技界の2大メジャーであるPRIDEとUFCの開戦することとなる。しかも、レベルの比較もされるので敵陣へ乗り込んでくるリデルも迎え撃つオーフレイムにとっても負けられない一戦だ。
これら豪華なグランプリトーナメント1回戦に加え、ヘビー級のワンマッチも豪華だ。ヒョードル、ミルコ、ノゲイラのヘビー級トップ3にそれぞれグッドリッジ、ボブチャンチン、リコ・ロドリゲスが挑むスーパーファイト。K-1のリングでの実戦を通して打撃に磨きがかかった「元祖番人」グッドリッジが行き成り現れ王者になったヒョードルに立ちはだかる。前回トップ3の1人ヒーリングに圧勝し止まる所を知らないK-1からの侵略者ミルコにこちらも「元祖北の最終兵器」ボブチャンチンが再起をかけて待ったをかける究極のストライカー対決で潰合い必至だ。そして、前王者のノゲイラがヒョードルとの敗戦から復活する。しかし、復帰戦の相手は本場UFCのヘビー級王者にもなったことのあるリコ・ロドリゲス。ロドリゲスはUFCで活躍する前は一時期高田道場所属となっていた時もありプライドにも2度ほど登場し勝利を収め、彼自身日本には馴染み深いが日本の格闘ファンにはまだそう知られてはいない強豪の1人だ。寝技世界一決定戦と言われるアブダビコンバットでも優勝経験があり柔術ベースだがトータルファイターで、UFCでの王座を狙っていた高坂をTKOに下し夢を打ち砕いた。前PRIDE王者ノゲイラに元UFC王者が襲い掛かる。ミドル級に前ライトヘビー級王者リデル、そしてヘビー級に元ヘビー級王者ロドリゲスを送り込んできたUFCはPRIDEとの全面戦争に本気のようだ。
8.10 PRIDE ミドル級GPトーナメント1回戦カード | |||
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PRIDEルール | 吉田 秀彦 (吉田道場) | VS | 田村 潔司 (U-FILE CAMP) |
PRIDEルール | 桜庭 和志 (高田道場) | VS | ヴァンダレイ・シウバ (シュート・ボクセ) |
PRIDEルール | クイントン"ランペイジ"ジャクソン (チーム・パニッシュメント) | VS | ヒカルド・アローナ (ブラジリアン・トップチーム) |
PRIDEルール | チャック・リデル (ピット・ファイトチーム) | VS | アリスター・オーフレイム (ゴールデン・グローリー) |
8.10 PRIDE ヘビー級ワンマッチカード | |||
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PRIDEルール | ミルコ・クロコップ (クロコップ・スクワッド) | VS | イゴール・ボブチャンチン (フリー) |
PRIDEルール | アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ (ブラジリアン・トップチーム) | VS | リコ・ロドリゲス (チーム・パニッシュメント) |
PRIDEルール ノンタイトル戦 | エメリヤーエンコ・ヒョードル (ロシアン・トップチーム) | VS | ゲーリー・グッドリッジ (フリー) |