ライバル団体だった新日本プロレスの出身ながら全日本プロレスの社長に就任した武藤敬司をアクシデントが襲った。10.19 新潟大会のセミファイナル6人タッグマッチに出場した武藤はローリングエルボーを繰り出した際に右ひざを負傷、余りの激痛にさすがの武藤も試合が終了するまでうずくまって動けず、救急車で運ばれた。病院で応急手当を受けた武藤は右足を包帯でぐるぐる巻きに固定し、松葉杖をついているという痛々しい姿。社長と選手の2足わらじで過労に加え、ヒザの古傷を酷使したことによると思われる。
「完全断裂の可能性は低いが靭帯を痛めている」とのことで長年痛めていたヒザの悪化は深刻だ。以前手術も受けたが、年を重ねるごとに悪くなっており、ヒザは伸びきらない状態になっており、今回の負傷で通常なら歩行ですらままならないはずの状態。しかし、武藤は翌日20日の宮城大会にも強行出場。出場時間は短かったが、社長としての責任感とプロレスラブで奇跡を呼び、通常この状態では考えられない動きを見せた。これからも出場を続けるという。
しかし、10.27 日本武道館で天龍との3冠王座挑戦もあり、11.17 「W-1」という全日本を大きくするための大切なビッグイベントが控えている。しかも、今が最高に旬の“ビースト”ことボブ・サップとの対戦も噂される。普通なら数週間からもっと長期の欠場となるような状態だが、全日本の運命を背負った武藤に休息は許されない。武藤のプロレスラブがどこまでこの満身創痍の肉体を動かすことができるのか。「プロレスの足一本くれてやる」という武藤のプロレスラー魂に敬意を表す。