NEW JAPAN 1.4 新日東京ドーム大会結果
秋山、永田との名勝負に勝ちGHC防衛。小川・健介はファンを裏切る。




東京ドームでプロレスの興行を開催すること自体が大変な事であり、実際に現在のプロレス団体でドームで出来るのは新日本プロレスしかないと思われるが、新日本で通算23回目のドーム興行になる今大会が史上最低の観客動員数を記録してしまったことは重大だ。もちろん、大晦日の猪木祭り2の影響も大きかったはず。その猪木祭り2の異種格闘技戦に参戦した永田自身とそれを許した新日本の勇気ある決断が永田の秒殺敗という結果により、今回の秋山とのGHC挑戦のテンションを下げてしまったのも確か。しかし、何より観客数が減っている中、会場にチケットを買って来てくれた貴重なファンの期待を裏切るような小川vs健介戦をさせてはいけない。あのような消化不良な試合は新日本のみならず業界全体のイメージを悪くすることをもっと意識すべきである。


第10試合 GHCヘビー級選手権試合 60分1本
ノア・GHCヘビー級王者 19分58秒 2001年G1クライマックス優勝
秋山 準
3カウント

(リストクラッチ・エクスプロイダーから)
永田 裕志

ノアの現役GHCヘビー級王者の秋山準が新日マットに2度目の登場。そして、今回は何と新日本のリングでノアのGHCヘビーのタイトル戦を行うという画期的な出来事だ。永田が大晦日のミルコ戦で秒殺されテンションが下がったものの、永田と秋山が名レスラーであり、新日でのGHC戦がすごいことには変わりはない。そして永田と秋山も初の一騎打ち。試合は序盤から永田が厳しい回し蹴りを秋山の胸に叩き込み、リング下に蹴り落とし激しさを増す。秋山は場外の花道の段差を利用したDDTで永田の額を床に打ち付ける。秋山が永田にパイルドライバーを連発し追い込む。反撃に転じた永田は12月に頭部を手術した秋山に対し、非常のパイルドライバーのお返しを連発。しかし、最後はノアの三沢社長の「新日本にノアのメッセージをしっかりと伝えて来い」という激に答えて、三沢の必殺技・エメラルドフロージョンを炸裂させ永田をリングに叩きつける。そして、垂直落下式エクスプロイダーを一発。それを何とかかえした永田を引き起こし、今度はリストクラッチ・エクスプロイダー。永田は大の字で3カウント。秋山がGHCのベルトを守った。試合後、リング上で永田は涙を流していた。その永田に秋山が歩み寄りビンタ一発。それに答えて永田も秋山にビンタ。永田の涙の本当の意味は永田自身にしか解らないが、勇気あるチャレンジをし続けた永田は確実に大きくなるだろう。



第9試合 タッグマッチ 60分1本
10分47秒
小島聡
○天山広吉
3カウント

(横入り式エビ固め)
蝶野正洋
ジャイアント・シンX

身長230cm、体重が200kg近いシンは余裕でテンコジ二人を痛めつけ追い込んでいく。そこへ試合に関係のない巨人コンビの相方のジャイアント・シルバが現れエプロンからテンコジふたりまとめて羽交い絞め、そこへシンがボディーアタック。しかし、テンコジがそれを交わし同士討ち。よろめくシンにテンコジがダブル・ラリアットを爆発させ、なんとシンから3カウントを奪った。試合後はシンとシルバが大乱闘。巨人コンビは解消か?


第8試合 無制限1本勝負
新日本プロレス 4分2秒 UFO
佐々木 健介
無効試合

小川 直也

小川、PRIDEで活躍する”柔術界最後の重鎮”マリオ・スペーヒーをセコンドに従え、堂々の入場。そして、セコンドにはZERO-ONEの選手も3人ほどついている。橋本自身はいなかったようだが橋本からの小川に対するサポートには違いない。

リング上でにらみ合う両者。いきなり健介が小川に頭突きを食らわし、後ろに倒れた小川にマウントをとって殴りかかる。この試合ゴング前の奇襲に怒った小川のセコンドの村上がリングに入り健介を押しのけた途端に新日本のセコンドもなだれ込み両セコンドが乱闘に。何とか収まり、試合開始のゴング。健介のタックルを切った小川はいきなりSTOを炸裂させ、倒れた健介の頭部に蹴りを入れて小川らしく観客にアピール。そして緊張感のあるロープ際の攻防の後、今度は小川が片足タックルの体勢になり、それをこらえた健介を巻き込むように後ろに投げる小川。その投げから流れるように腕ひしぎ逆十字の体勢に入る小川。健介は手をしっかりとクラッチして防御。ロープにゆっくりと足を伸ばす。しかし、ロープブレイクでの離れ際、小川は寝ている状態の健介の頭部に蹴りを入れ、制止しようとするレフェリーを突き飛ばしマウントの状態から健介を殴りつける。すると今度は健介のセコンドの中西がリングに飛んで入り、両セコンド入り乱れての再度乱闘。呆然と乱闘を眺める小川に立ち上がった健介が襲い掛かり、投げっぱなしの反り投げで強引に小川を叩きつける。起き上がった小川に健介が助走をつけたラリアットをぶち込み、リング下に叩き落す。リング下でも小競り合う両軍。ノーコンテストの裁定でゴングがなる。リングから遠のいていく小川軍。会場は大ブーイング。フェンスを乗り越えた観客に取り囲まれる小川。リング上からは健介が「戻って来い」「もう一回やるぞ」とマイクで小川を呼び戻すが、小川はリングに帰ってこない。大ブーイングの中、この中途半端で欲求不満の溜まる状況を何とかしてくれと言わんばかりに「猪木コール」も響き渡るが、帰っていってしまう小川。ジュースや紙コップなどが小川に投げつけられ、罵声が浴びせられた。

リングに戻って来なかった小川に観客は激怒した。確かにリングに命を賭けているプロレスラーとはいえない行動だ。ファンも小川にリングに戻って試合を再開し、はっきりと結果をだしてほしいと願っていたに違いない。しかし、である。あの状況では帰ってしまった小川に怒りをぶつけたファンの気持ちは理解できるが、小川だけのせいにするわけにはいかない。試合開始前の奇襲をかけたのは健介。それを制止しようとした小川のセコンドの村上の行動は普通である。ファンとしてはほっておいてほしいところだが、試合前なので村上がリング上にあがっても問題はなかったはず。しかし、健介サイドの中西がリング上に割って入ったのは試合中だった。そして何より、いつも敵地に殴りこむかたちの小川サイドは大勢の新日本サイドのセコンドに囲まれ危険にさらされて戦っているのも事実である。実際に小川と新日本の遺恨の基となった1999.1.4ドームの時には小川のセコンドについた村上は新日本のレスラー達に袋叩きに合い、病院に意識を失い担ぎ込まれたということがある。そういう過去を踏まえるとあの乱闘がいつでも起きる状況での試合続行は小川サイドにとって命取りと感じても仕方がないとも言えなくない。そして、あんな状況になることも充分想定していたであろう新日本サイドが何も予防策をとっていなかった、もしくは、わざとああいう状態に持っていったとするならば、チケットを買って会場に来た大勢のファンを失望させ、激怒させたのは小川だけではなく新日本にも責任があると言えよう。



第7試合 タッグマッチ60分1本勝負
BATT 16分44秒 無我師弟タッグ
○武藤 敬司
馳 浩
3カウント

(シャイニングウィザードから)
藤波 辰爾
西村 修×



第6試合 IWGPジュニアヘビー級選手権 60分1本勝負
新日本プロレス 王者 5分43秒 高田道場 挑戦者
ケンドー・カシン 3カウント

(エビ固め)
松井 大二郎



第5試合 シングルマッチ 30分1本勝負
新日本プロレス 6分49秒 T2000
中西 学 リングアウト勝ち

ジャイアント・シルバ

野人・中西が230cm、240kg弱のシウバをアルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げた!なんという怪力。野人の面目躍如。大歓声を浴びた。


第4試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
20分12秒
○獣神サンダー・ライガー
ザ・グレート・サスケ
タイガーマスク
3カウント

(垂直落下式ブレーンバスター)
外道×
邪道
ディック東郷



第3試合 タッグマッチ30分1本勝負
8分00秒
石川 雄規
○村上 和成
レフェリーストップ

(頭部への蹴りにより)
棚橋 弘至X
鈴木 健想

 


第2試合 タッグマッチ30分1本勝負
新日本プロレス 12分31秒 T2000
○田中 稔
エル・サムライ
3カウント

(逆さ押え込み)
金本 浩二
AKIRA X



第1試合 タッグマッチ30分1本勝負
10分50秒
○垣原 賢人
成瀬 昌由
3カウント

(カッキーカッターから)
柴田 勝頼
井上 亘X