9.29 PRIDE22 名古屋レインボーホール大会は日本人選手5名が全滅するという非常事態に陥った。
ヴァーリ・トゥードという競技が日本に上陸してしばらくの間、「日本最弱」といわれ続けた時代があった。日本人選手はその表現に怒り、その汚名を払拭するために汗と血と涙を流して鍛錬し、実力を上げてきた。修斗、PRIDE、パンクラスなどの日本人選手達もよく頑張りレベルアップし、プロレスラーの中にもレベルの高い外国人格闘家を相手に渡り合う藤田や石澤の様なレスラーもでてきた。しかし、又、なぜか日本人が勝てない状況になっている。
大山や小路が秒殺され、大塚、山本、小原も判定ながら試合内容では圧倒され完敗。
藤田が練習中にアキレス腱を切り、桜庭は試合ごとに重傷を負っているという日本の切り札たちが本調子でないという状況ではあるが、それだけではない。日本人選手に何かが足りない。日本人選手のレベルアップのペースを上回る勢いの外国人選手の成長ぶりには練習方法や技術に関しても貪欲に新しいものを取り入れ吸収している様がうかがえる。日本人選手も必死に鍛錬しているのはわかっている上で、ドラスティックに何かを変える、変わりつづけなければ後退になるという状況を再度認識して欲しい。
そんな日本人が連敗する中、さらにPRIDEの創生期を支えた高田延彦が11.24 PRIDE23での戦いを最後にすると引退宣言した。最後の対戦相手は未定。
第8試合 メインイベント 1R10分、2R・3R5分 |
ブラジル ハイアン・グレイシー柔術アカデミー所属 |
1R 1分37秒 | 日本 フリー |
ハイアン・グレイシー |
タップアウト 腕ひしぎ逆十字固め |
大山 峻護 |
現在、全日本プロレス所属の石澤を相手に秒殺PRIDEデビューを飾り、その後石澤のリベンジに完敗し1年以上PRIDEのリングから遠ざかっていたハイアン。以前の狂気性を取り戻し、身体も一回り大きくなりパワーアップして帰ってきた。対する大山は目の負傷を乗り越え復帰し、ハイアンの実兄であり実力者のヘンゾを判定で下した“折れない心”を持つ男。その因縁の相手に対し、ハイアンはグランドで大山の上からのパンチを捌き、腕ひしぎで捕らえ秒殺。大山の肘を脱臼させた。兄のリベンジを果たし、大はしゃぎのハイアンは前回グレイシー一族のトップの一角を占めるホイスを破った吉田の名を次のターゲットとして挙げた。仲間の大山をやられた吉田は「ハイアン?いいね。」と前向きの姿勢を見せた。「右肘関節脱臼骨折」にされた大山だが「腕は折れても、心は折れていない」と不屈魂を見せた。怪我を完治し、一日も早い大山の復活を見たい。 |
第7試合 セミファイナル 1R10分、2R・3R5分 |
米国 チーム・イハ所属 | 1R 7分13秒 | ウクライナ フリー |
クイントン“ランペイジ”ジャクソン |
KO 投げによるあばら負傷 |
イゴール・ボブチャンチン |
日本人選手同様、ヴァーリ・トゥードの技術やレベルの進歩に苦しむボブチャンチンは、練習方法や技術を改良することに時間をかけてきたと言われているが今回の久々の復帰戦の相手はK-1及びPRIDE両方で活躍し、最高に勢いに乗る“元ホームレスファイター”ジャクソンだ。PRIDEきっての豪腕対決だが、ジャクソンのパンチ以外のもうひとつの必殺技である投げで勝負が決まった。以前、佐竹の腰を粉砕したジャクソンの投げがボブチャンチンに炸裂。投げによりアバラを痛め痛みに耐えられずボブチャンチンのKO負け。 |
第6試合 1R10分、2R・3R5分 |
ブラジル ブラジリアン・トップチーム所属 | 1R 6分2秒 | ロシア ロシアン・トップチーム所属 |
マリオ・スペーヒー |
ドクターストップ キックによる流血 |
アンドレイ・コピィロフ |
お互い老獪なテクニックを持つサンボvs柔術対決。ロシアン・トップチームとブラジリアン・トップチームの代表戦ともいえるこの1戦はなんとスペーヒーのグランドでのひざ蹴りやスタンドでのキックでコピィロフが流血しドクターストップで、スペーヒーが勝利。リングスのKOKのリングで柔術世界王者をヒザ十字で秒殺したことがあるコピィロフだったが、打撃の練習もしっかり取り入れている元柔術世界王者のスペーヒーに黒星を喫してしまった。 |
第5試合 1R10分、2R・3R5分 |
米国 ゴールデングローリー所属 | 1R 7分31秒 | ロシア ロシアン・トップチーム所属 |
ヒース・ヒーリング |
レフェリーストップ グランドでのひざ蹴り |
コーチキン・ユーリ |
こちらも久々の登場のヒーリング。ロシアン・トップチームの新しい刺客で初参戦のユーリを圧倒。やはり、ヒーリングの実力はトップクラス。 |
第4試合 1R10分、2R・3R5分 |
ブラジル ブラジリアン・トップチーム所属 |
1R 2分48秒 | 日本 フリー |
パウロ・フィリョ |
タップアウト 腕ひしぎ逆十字 |
小路 晃 |
日本人キラーのフィリョを小路も止められず、秒殺される。非常に調子が良かったという小路の油断か。 |
第3試合 1R10分、2R・3R5分 |
ブラジル シュート・ボクセ・アカデミー所属 | 3R終了時 | 日本 AODC所属 |
アンデウソン・シウバ |
判定 3−0 |
アレキサンダー大塚 |
シウバをタックルからテイクダウンする大塚だが、グランドではコントロールされてしまい、完敗。 |
第2試合 1R10分、2R・3R5分 |
米国 ライオンズ・デン所属 |
3R終了時 | 日本 高田道場所属 |
ガイ・メッツァー |
判定 3−0 |
山本 憲尚
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打撃に自信を持っていたはずの山本をメッツァーの老獪なテクニックが上回る。山本も打撃で圧倒され完敗。 |
第1試合 1R10分、2R・3R5分 |
米国 ハマーハウス所属 |
3R終了時 | 日本 フリー |
ケビン・ランデルマン |
判定 3−0 |
小原 道由 |
新日本プロレスを退団し、現在は吉田と共に練習し、ノールールにかける勇気ある決断をした小原。柔道ベースで喧嘩をさせたら プロレスラーNo1ともささやかれる小原だが、元UFC王者ランデルマンに圧倒され何も出来ずに判定で完敗。 |