PRIDE23 東京ドーム大会の全カードが決定した。
高田の引退大会ということで元Uインターの選手だった、田村、金原、桜庭、そして今回、山本喧一の参戦が決定。金原も山本もPRIDE初参戦だ。既に報道された通り金原はいきなりミドル級王者シウバのタイトルに挑戦、山本は元UFC王者の強豪ケビン・ランデルマンと対戦。双方とも厳しい戦いになることは間違いない。
ミルコ戦で眼か底骨折の重傷を負って未だ完治していないにも関わらず師匠・高田の引退試合に花を添えたいと強行出場を決めた桜庭の対戦相手はK-1で活躍する“バトルサイボーグ”ことジェルム・レ・バンナの総合格闘技戦出場時以来から総合のコーチを務めるジル・アーセンに決定。未だ少し物が二重に見えることがあるという手負いの桜庭にとって柔術のエキスパートで逆にバンナから強烈なストレートを教え込まれたアーセンは決してイージーな相手ではない。その桜庭vsアーセン戦は桜庭の希望により、第一試合に組まれた。桜庭曰く、昔から高田がメインの時、桜庭が第一試合を務めていたからとのこと。しかし、これには高田がクレーム。高田曰く、「PRIDEでいままで一番命を削って戦ってきたのは桜庭。彼の試合が自分の試合より前なのはおかしい。」と自らの引退試合であるのもかかわらず愛弟子をメインにするよう主張した。
今回主役である高田の試合順についてのクレーム以外に、もっと大きなクレームが水面下で発生していた。その主役の引退試合の相手を務めることになった田村からある他の出場選手の参戦について強い不快感を示し、場合によっては田村自身が出場拒否をすることもあるとPRIDEの主催者DSEに対しクレームを入れた。その問題の出場選手とは今回発表された山本喧一に違いない。1999年11月に日本で開催されたUFC-Jの王者決定トーナメントで優勝した山本はその直後、「偽善者の田村、俺と真剣勝負で戦え」と田村を偽善者呼ばわりしながら対戦希望を一方的に発表。それを田村は完全無視し、何も起こらなかった、起こらせなかったという因縁の相手。高田の元Uインターの選手への出場呼びかけで田村の出場が決定した後に山本の出場も今回決定。同じ大会、同じリングに山本が上がること自体が田村としては不満で、DSEの対応次第によっては田村は出場ボイコットも辞さない構えという。田村自身、「高田さんの対戦相手に選ばれたことは光栄で本当に戦いたいが」と前置きしてのクレームだが、もし実際に出場拒否ということになると高田の引退試合自体が台無しになる可能性がある。大会までもう時間が無い中どうなるのか注目だ。
しかし、以前自分の師匠である高田に「真剣勝負」を迫った田村が自分の元後輩の山本に「真剣勝負」を迫られるとは皮肉な運命を感じさせる。
高田の引退試合、元Uインター選手の出場、吉田のPRIDE初登場以外にも外国人選手がらみのビッグカードが用意された。すでに報じたがアローナとニンジャのトップチームvsボクセの因縁若手ホープ対決に加え、ノンタイトル戦ながら王者ノゲイラにPRIDE及びK-1両リングで活躍する大巨人シュルトが挑む。タイトルマッチにしてもおかしくないこのビッグカード。シュルトは来月あたまにK-1 WORLD GPでいきなりサップと激突する予定だが、半月の間にこのビックマッチ2戦をこなそうとしている。
そして、ヒーリングvsヒョードル。次期王座挑戦者決定戦だ。あまりにももったいないカード。当HP「龍虎対決ドラタイ」が考える今現在PRIDEのリングでのヘビー級ベスト5であるノゲイラ、サップ、シュルト、ヒーリング、ヒョードルの5人のうち4名が今大会に参戦し、その4名でそれぞれが対戦するという豪華な大会となる。つまり、PRIDEファンはもとより、元Uインターのファン、プロレスファン、吉田の動向に注目する柔道ファン、そしてWorld GPに参戦するシュルトの戦い振りを含めてK-1ファンも注目すべき大会となろう。
11.24 PRIDE23 東京ドーム大会 高田延彦引退興行 全カード | |||
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第8試合 高田引退試合 | 高田 延彦 | VS | 田村 潔司 |
第7試合 | 吉田 秀彦 | VS | ドン・フライ |
第6試合 ミドル級タイトルマッチ | 王者 ヴァンダレイ・シウバ | VS | 挑戦者 金原 ひろみつ |
第5試合 | アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ | VS | セーム・シュルト |
第4試合 | ヒース・ヒーリング | VS | エメリヤーエンコ・ヒョードル |
第3試合 | ヒカルド・アローナ | VS | ムリーロ・ニンジャ |
第2試合 | 山本 喧一 | VS | ケビン・ランデルマン |
第1試合 | 桜庭 和志 | VS | ジル・アーセン |