PRIDEがおくる今年最後のビッグイベントである11.24 PRIDE23 東京ドーム大会には高田ファン、プロレスファン、柔道ファン、総合格闘技ファン、そして元Uインターファン達の目が釘付けになりそうだ。
この試合を最後に総合格闘技及びプロレスを含むリングから完全に引退すると宣言した高田延彦の最後の対戦相手がUインター時代の教え子であった田村潔司に決定した。Uインター崩壊後、高田はヒクソン戦を皮切りにPRIDEを主戦場とし、田村はリングスをホームリングに決め、交わることは無いかと思われていたが、リングスが崩壊したことにより田村がPRIDEやDEEPなどのリングに登場するようになり最後の最後で遂に実現の運びとなった。
何と高田が自分の最後の相手に田村を指名した。元教え子といえど、これは伝承マッチと言うより因縁マッチだ。Uインター時代に団体のトップだった高田に対し「自分と真剣勝負で戦ってください」と挑戦状を叩き付けた田村。その後、団体の経営状況が危なくなりほとんどの選手が新日本プロレスとの提携に従い新日に参戦していた時に田村は新日への参戦を拒否し、メンバーの反感を買った。団体の長で責任があり苦しい状況にいた高田にとってその時の田村のとった行動は裏切りに感じたに違いない。
その因縁のある田村を自分の最後の相手に選んだ高田。それを受け入れた田村。両者には言葉では表せない複雑な思いや意味があるようだ。高田は最後に自分の原点に戻ることを選んだ。思い残すことを無くすように。
そして、更に高田は元Uインターの選手に同大会への参戦を呼びかけた。PRIDE、新日本、ノアと股にかけて活躍する高山、全日本参戦から新日本に入団した垣原、DEEPやインディーのリングに上がっている中野、リングスで活躍しその後動きを見せない金原、独自路線を行く山本、そしてその後もずっと行動を共にしてきた桜庭や松井。もしも、全選手が集まることが出来たら元Uインターファンにとっては忘れられない一夜になるだろう。
このUインター同窓大会に加えビッグカードが決定した。あのホイスをTKOした金メダリスト 吉田が対戦相手に“アルティメット王”ドン・フライを指名、フライも了承し、吉田vsフライの異種対決が決定した。当初、PRIDEから吉田に対し、対戦候補として大物の名を打診していたが、なんと吉田サイドがフライと戦いたいと指名した。打撃を得意とするフライを打撃の試合未経験の吉田が選んだことに驚かされる。吉田曰くフライは「男らしい戦いをするかっこいい選手」と評価も高く「一度戦ってみたい選手」とフライの名を挙げた。しかし、フライはパンチだけの選手ではなく、アマレスでも実績のあるトータルファイター。年齢は高いがその分百戦錬磨の老獪さがある選手だ。そのフライに総合2戦目の吉田はどう対処するのか。ルールはPRIDEルールだが吉田は柔道着を着るつもりだという。