相手のルールとリングで、つまり相手の土俵で戦うことの厳しさ、そしてその厳しさと恐怖に打ち勝ちリングに上がる選手の精神的強さは想像に難しくない。今回、プライドからギルバート・アイブルとクイントン・ジャクソン、プロレスのZERO-ONEからジョシー・デンプシーがK-1のリングに参戦。前回のK-1ジャパンでのボブ・サップと違い、3者とも正々堂々とK-1ルールに則ってクリーンなファイトを展開した。
ちなみに石井和義館長のポケットマネーで観客を沸かせるファイトをした選手に支払うという「Dynamite!賞」賞金3万ドル(約360万円)は相手側のルールで正々堂々と戦いそれぞれ勝ち負けに関係無く根性を見せたアイブル、ジャクソン、デンプシーの選手で1万ドルずつ3等分にされた。
第6試合 3分5R |
ニュージーランド アメリカンプレゼントボクシングアカデミー所属 |
2R 2分7秒 | オランダ ゴールデン・グーリー所属 |
レイ・セフォー |
KO 右ローキック |
ギルバート・アイブル |
いつも総合系でやっているようにいきなり襲い掛からず、慎重な構えのアイブル。ローやハイなどキレのあるキックをだすアイブル。セフォーもキレのあるパンチで応戦。お互いガードを固めるが、2ラウンドに入るとギルバートが総合のリングでは喰らったことの無いようなセフォーのピンポイントで襲ってくる強烈なローキックがギルバートの脚にきまる。セフォーの右ローがアイブルの左足にきまり、アイブルダウン。立ち上がるがもう引きずっており、時間の問題だがそれでも痛めた左足で気合を入れたキックをセフォーに叩き込むアイブル。しかし、冷静なセフォーは再度ローをアイブルに叩き込み決着をつけた。 |
第5試合 3分5R |
ベラルーシ チヌックジム所属 |
5R終了時 | オランダ ゴールデン・グローリー所属 |
アレクセイ・イグナショフ |
判定 2-0 |
ピーター・アーツ |
世代交代の下克上マッチとなるか注目されたこのイグナショフ対アーツの1戦。お互いヒザが得意で似たタイプのファイター同士。強いて言えばイグナショフがよりムエタイ的な戦い方で、アーツはよりオランダスタイルを色濃く残している。両者決め手を欠いた試合展開で僅差の判定でイグナショフが勝利。しかし、お互いすっきりしない様子。 |
第4試合 3分5R |
クロアチア クロ・コップスクワッドジム所属 | 2R 2分6秒 | オランダ メジロジム所属 |
ミルコ・クロコップ |
TKO パンチラッシュ |
レミー・ボンヤスキー |
アーツやホースとに続くオランダのホープと言われ、あのレイ・セフォーを倒したこともあるレミー・ボヤンスキー。フライハイのヒザやハイキックでミルコの勢いを止めれるかに注目されたが、今のミルコの勢いは本物で自信に満ち溢れている。ボヤンスキーも時折いいハイキックをミルコに入れていくが、2Rにはボヤンスキーから一度目のダウンを奪い、なおもミルコがすさまじいパンチのラッシュを続け、ガードを固めながら棒立ちになるボヤンスキー。アゴを引きガードを固めているボヤンスキーだがミルコのラッシュを受ける時間が長すぎたかレフリーが試合をストップ。確かにレフェリーのストップが早すぎたという意見もあり、少しもったいない結果となってしまった。 |
第3試合 3分5R |
日本 正道会館所属 | 5R終了時 | 米国 LAボクシングアカデミー所属 |
武蔵 |
判定 3−0 |
ジョシー・デンプシー |
最近日本ではZERO-ONEのプロレスのリングで活躍しているが、ボクシングを極めており以前ボクシングのIBFの4位にランクされていたというジョシー・デンプシー。それを迎え撃つ日本最強の武蔵は石井館長が他流試合で精神的に強くなれと他流との戦いが続いている。さすが、デンプシーのパンチは速くてキレがある。しかし、武蔵も他流試合でたくましくなったか、パンチの打ち合いでも引けを取らない。それでも武蔵はなかなか硬さが取れない。試合は徐々に武蔵がデンプシーを圧倒。ローキックを入れ、パンチでデンプシーをぐらつかせる。最終ラウンドにはマウスピースを飛ばされるようなアッパーも喰らうがプロレスラーの意地かデンプシーは倒れない。意地とタフさをみせたデンプシーを倒せず無念の雄たけびを上げる武蔵。判定ながら武蔵の完勝。 |
第2試合 3分5R |
スウェーデン ヴァレンテュナボクシングキャンプ | 1R 2分22秒 | ブラジル 極真会館 |
マーティン・ホルム |
KO 左フック |
グラウベ・フェイトーザ |
現役続行か否かで注目されるフランシスコ・フィリョの後継者であるフェイト-ザは最近顔面パンチの技術もかなり上達し、慣れてきた様子だが、ホルムの勢いの前に1RでKO負けしてしまった。来年に極真の世界大会も迫っており、今後のフェイト-ザの行動に注目される。 |
第1試合 3分5R |
米国 チーム・イハ所属 | 1R 1分55秒 | フランス チャレンジボクシングマルセイユ所属 |
クイントン・ジャクソン |
KO 右フック |
シリル・アビディ |
元々総合系の格闘家の中でも打撃系の選手ではなかったクイントン・ジャクソンだが、なんとアーツを倒したこともあるアビディをパンチで圧倒。ガードの甘いアビディのアゴを見事に捕らえ2度のダウンを奪い堂々のKO勝ち。 |
オープニングファイト第2試合 3分3R |
日本 ドージョー・チャクリキ所属 |
2R 2分7秒 | 日本 正道会館所属 |
ノブ・ハヤシ |
判定 3‐0 |
宮本 正明 |
2年2ヶ月ぶりのK-1の試合という大きなブランクのある宮本をあと一年で選手として完成するとチャクリキの会長から言われているハヤシが圧倒し、判定勝ち。試合後、宮本は現役引退の意思をちらつかせた。 |
オープニングファイト第1試合 3分3R |
日本 MONSTER FACTORY所属 |
1R 3分 | 日本 日進会館所属 |
藤本 祐介 |
KO 左フック |
滝川 りょう(左に令、右に羽) |
マッチョでスキンヘッドの藤本が滝川を圧倒し、1Rに3度のダウンを奪いKO勝ち。 |