K-1 PRIDE
10.5 K-1 ワールド GP開幕戦 バンナ、グッドリッジを秒殺! しかし、ホースト、サップに飲み込まれる。


10.5 K-1ワールドGP 開幕戦で一番恐れていたことが起こった。K-1ワールドGPで3度優勝し、当時チャンプアやマンソン・ギブソンなど多くの強豪が参戦したライト・ヘビー級クラスのトーナメントだったK-2GPでの優勝をあわせれば4度にわたってチャンピオンになったK‐1の“ミスター・パーフェクト”ことアーネスト・ホーストがK-1とPRIDEの両リングで大暴れしている野獣ボブ・サップに完敗してしまった。

試合前、K‐1の生みの親で格闘プロデューサーの石井正道会館館長は「ホーストがサップに負けるようなことがあればK‐1を根本から考え直さなければならない。」と語っていたが現実に考え直さなければならない状況になった。まだK‐1は3戦目のサップにK‐1の10年の歴史が飲み込まれてしまった。しかし、サップはノールール界からの刺客と誤解され勝ちだが、実際は石井館長が発掘し連れて来た選手。逆にノールール界の聖地であるプライドのリングがサップに脅かされているのが現状だ。PRIDEの牙城は現王者のノゲイラが何とか守ったが、危ういところまで追い詰められた。今度はK-1のリングが危険にさらされている。

K-1を3戦消化しただけのサップだがスリータイムチャンピオンのホーストを破って東京ドームへ駒を進めた。果たして誰がサップを止められるのか。バンナか、ハントか、アーツか?PRIDEからの刺客であるPRIDEの大巨人セーム・シュルトも東京ドームに駒を進めている。K-1参戦間もないサップかシュルトが優勝するようなことになれば、色々な意味でK‐1が変えられてしまう。いい意味でも悪い意味でも。




第7試合 3分3R
米国 モーリス・スミスキックボクシングセンター所属
1R終了時 オランダ ボス・ジム所属
ボブ・サップ
TKO

ドクター・ストップ
アーネスト・ホースト

いつものように試合開始早々猛然と襲い掛かるサップ。200センチ170キロのサップとまともにぶつかり合えば当然押されてしまいうホースト。ロープに詰められ重いサップのパンチを連打で叩き込まれ、まさか秒殺かという重い雰囲気に支配される。しかし、ホーストはがっちりガードし、パンチやローで時折打ち返す。ガードの上からでも充分ダメージを与えるような強打を連打されながらも時折打ち返すホーストのパンチやローがサップを捕らえ、突如失速し手が止まるサップ。かなり辛そうな表情のサップ。ローもかなり効いているようだ。

失速したサップの様子から、今度はホーストのKO勝ちは時間の問題に思われた。しかし、もうスタミナ切れと思われたサップが再度猛攻をしかけ、なんとホーストからダウンを奪う。ホーストはサップの強打でまぶたをカットし、鼻血もでて顔面が血にまみれている。ドクターチェックが入りかなりザックリ割れているように見えるまぶただが、試合続行。そのチェックの間、休憩し、息を吹き返したサップが再びラッシュ。その猛攻にロープにもたれてしゃがんでしまったホーストに2度目のダウンが宣せられる。1R終了間際にも追い込まれダウン寸前になるホーストだがゴングに救われた。しかし、再度ドクターチェックでストップ。

スリータイムチャンピオンから1Rで2度もダウンを奪い、完勝したサップはサップダンスを踊り、豪快にリング上で飛び跳ねて喜びを表した。 大金星で興奮していて痛みも忘れているとも思うが、そのジャンプの様子を見ると効いているように見えたホーストの巻きつくような強烈なローキックもスタミナが切れていただけで効いていなかったのではないかと思わせる。正にビーストだ。



第6試合 3分3R
フランス ボーアボエル&トサジム所属
1R 0分42秒 トリニダード・トバゴ フリー
ジェロム・レ・バンナ
KO

右ストレート
ゲーリー・グッドリッジ

PRIDEとK‐1の豪腕対決。真っ向から打ち合う両者。凄まじい気合でパンチを打ち込むバンナは少し硬すぎるようにみえる。しかし、右利きながらサウスポーに構えるバンナの右ストレートがグッドリッジの顔面を捕え、豪快ワンパンチKOでK-1の牙城を外敵から守った。今度はサップとの一騎打ちが期待される。



第5試合 3分3R
オランダ ゴールデン・グローリー所属
3R終了時 米国 チーム・アンディ所属
セーム・シュルト
判定

3-0
マイケル・マクドナルド

すごい身長差の両者。すぐクリンチや首相撲のように組んでジワジワと小柄のマクドナルドのスタミナを奪っていくシュルト。しかし、動きのよいマクドナルドは飛び上がってのパンチなどでシュルトをたじろがせる。大声援を受け頑張ったマクドナルドだが、3R終了間際にシュルトの顔面ひざ蹴りを受けてダウンしてしまい、完全な判定負けでドームへの切符を失ってしまった。



第4試合 3分3R
ドイツ ゴールデン・グローリー所属 延長R終了時 ベラルーシ チヌックジム所属
ステファン・レコ
判定

3−0
アレクセイ・イグナショフ

ドイツからオランダに移住し、シュルトやヒーリングの所属するゴールデン・グローリーに移籍し、髪型も変え心機一転のレコは絶好調。“毒針のヒザ”を持つ男イグナショフの攻撃をうまくかわしながらすばやい動きときれるパンチで攻め込むレコが延長戦を制して判定勝ち。



第3試合 3分3R
オランダ メジロジム所属 3R終了時 ブラジル 極真会館所属
ピーター・アーツ
判定

3−0
グラウベ・フェイトーザ

ここのところ、ずっと怪我に泣き、また育児もひと段落し練習にも集中できるようになったアーツは好調な頃の自分を取り戻しつつあるようだ。兄弟子のフィリョの代役として参戦したグラウベだが、極真の南米大会などにも参戦し顔面なしの極真の試合とK‐1の二足わらじの為か精彩を欠く。強烈なローには慣れている極真選手のグラウベからなんとローでダウンを奪うアーツ。判定になったが文句なしでアーツの勝利。


第2試合 3分3R
ニュージーランド アメリカンプレゼントボクシングジム所属 3R終了時 スウェーデン ヴァレンテュナ・ボクシング・キャンプ所属
レイ・セフォー
判定

2−0
マーティン・ホルム

一時期、腰の故障などに苦しんでいたセフォーが調子を上げて帰ってきた。時折、得意のノーガードで新鋭ホルムを挑発し、好調をアピール、会場を盛り上げる。左フックやローも繰り出し、セフォーが判定ながら完勝。


第1試合 3分3R
ニュージーランド リバプール・キックボクシングジム所属 延長R終了時 南アフリカ レオナルドジム所属
マーク・ハント
判定

3−0
マイク・ベルナルド

前回、大逆転KOで引退勧告を吹き飛ばしたベルナルドだったが、今年も夢のGP優勝への道は途絶えた。相手も昨年GP優勝者ながら今年に入って狙われる身となり、強豪と連戦し、優勝して気が抜けたか連敗し調子を落としていたハント。どちらも復活して勢いをつけるために負けられない1戦だったはずだが、前にでるハントの圧力に押されたか、下がってしまうベルナルド。お互いに最後まで攻め込めなかった両者だが特にベルナルドは手数がだせず、判定負け。