BOXING 畑山隆則、引退を正式表明
世界王者同士、徳山と小林は意気投合




1月23日、プロボクシング2001年年間表彰式にて新設のピストン堀口賞を受賞した元WBA世界ライト級王者・畑山隆則が正式に引退を表明した。過去2度引退宣言をしている畑山だが、「今回は絶対に復帰はない。わがボクシング人生に悔い無し。」と言い切った。昨年7月、ジュリアン・ロルシーに敗れた頃からもう引退は決めていたがファンからの励ましの手紙などを貰ううちに言い出せなかったという。気が変わりやすいと自負する性格からもう一試合する気になるかと思ったが現役を続ける意欲が戻らなかった。テレビなどでの芸能活動、飲食店の経営、青森大での学生生活と大忙しの畑山はボクシングの現役生活には25歳で区切りをつけて30歳までに人生の方向性を決めたいと新たな道へ踏み出す決意をした。日本人ボクサー4人目の世界2階級制覇を成し遂げた偉大なチャンプの勇姿が見れないのは残念だ。

残念がっているのはファンだけではない。2000年10月に畑山と大接戦を繰り広げ惜しくも日本人対決に敗れた元東洋太平洋ライト級王者・坂本博之もその一人。坂本は畑山に敗れてから持病の腰痛を手術し1年3ヶ月ぶりに復帰戦を1R、ショートアッパーや左右のフックの速射砲で3度のダウンを奪い143秒の圧勝勝利で飾ったところ。今年の夏までには一回級上げてのスーパーライト級で東洋太平洋の王座を狙っている坂本は「そこでベルトを取れたら復帰する畑山を指名しようと思っていた。」と畑山の引退を惜しがった。40戦目にして初のKO敗を味わった相手である畑山の引退は坂本にとっても寂しい限りのようだ。

その畑山の正式な引退表明があった2001年年間表彰式で二人の同階級世界王者である徳山昌守とセレス小林が初対面した。徳山は小林を「噂通りのいい人」、小林は徳山を「すばらしいチャンピオン」と表現しお互い気が合ってしまった二人は国内史上初となる日本ジム所属の世界王者同士の統一戦には否定的。しかし、そこはプロ。技能賞の小林が「一億五千万づつくれたら統一戦やってもいいです。」と言えばMVPの徳山もそれに同調した。

プロボクシング2001年年間表彰・各賞受賞者

最優秀選賞  徳山 昌守(金 沢 27歳)
技 能 賞  セレス小林(国 際 28歳)
殊 勲 賞  新井田 豊(横浜光 23歳)
敢 闘 賞  西岡 利晃(帝 拳 25歳)
努 力 賞  リック吉村(石 川 36歳)
K O 賞  鈴木  悟(八王子中屋 25歳)
        洲鎌 栄一(尼 崎 26歳)
新 鋭 賞  洲鎌 栄一(尼 崎 26歳)
ピストン堀口賞  畑山 隆則(横浜光 26歳)
年間最高試合  徳山 昌守  vs  ゙ 仁 柱