”いぶし銀”木戸修引退
33年間のレスラー生活に「現役に悔い無し」
新日本プロレスの”いぶし銀”こと木戸修(51歳)が11月2日新日本の横浜文化体育館大会で長州と組み藤波・木村組と戦った試合を最後に33年間の現役生活に別れを告げた。新日本プロレス自体は来年3月に旗揚げ30周年を迎えるが、発足時の6人のメンバーである猪木、山本、柴田、魁(北沢)に続いての木戸の引退で残る現役は現・新日本社長の藤波だけとなった。
木戸は、実兄・時雄さん(享年29)が日本プロレスに入門したが16歳の時に練習中に不慮の事故でけいついを負傷してプロレスを引退した為、その兄の果たせなかった夢を追ってプロレスに入門した。性格がまじめできっちりしていた木戸の試合は関節技が多く地味ではあったが、玄人受けするレスラーであり、”プロレスの神様”カール・ゴッチから「息子」と呼ばれかわいがられ、ゴッチ直伝の関節技の切れ味はカミソリのごとくプロレス界屈指の関節技テクニックを持つレスラーとして一目を置かれていた。一時、そういうサブミッションに重きを置くスタイルのUWFに移籍し、藤原喜明たちと名勝負を繰り広げ人気絶頂のUWFのメインイベンターにまで昇りつめた。UWF崩壊後、新日本にUターン。地味ながら独特の試合展開で観客をうならせた。
設立メンバーだった同志の猪木も木戸の限定「木戸番」として来場、会場の入り口で入場券を切って木戸の引退に花を添えた。現役最後の試合は、長州と組み、藤波をヘッドロックで絞め上げ、木村を脇固めでギブアップ寸前まで追い込んだ時点で終了ゴングの引き分け。10カウント、そして全選手から胴上げされた木戸は「33年間できて感無量。現役に悔い無し。兄も喜んでくれていると思う。本当に有難う」と挨拶。観客の惜しみない拍手が送られた。こちらこそ有難う、そしてお疲れ様でした、名レスラー木戸修殿。