PRIDE パンクラス RINGS 修斗
PRIDEがパンクラス、リングス、修斗の王者をごぼう抜き!

色々な意味でボーダレス化が進む格闘技界だが、リングスのトップ外国人選手達を引き抜き選手争奪戦を仕掛けたPRIDEが今度は各総合格闘技系団体から外国人王者をごぼう抜きし、格闘技界に激震が走った。

まず、現パンクラス無差別級王者セーム・シュルト(27歳)がPRIDEに参戦することが決定した。6月29日に米国で開催されたノールール大会の老舗 UFC32で伏兵 ジョシュ・バーネットにUFC2度目の登場で一本負けしてしまったセーム・シュルトだが、日本では大道塾空手の大会やパンクラスで大活躍したトップファイター。しかも、パンクラスの無差別級、つまり最強のクラスの現役王者だ。パンクラスでは誰がシュルトを最初に攻略するかというのがひとつの大きなテーマになっており、そのテーマごと現役王者を引き抜きされてしまったことはパンクラスにとって大きなダメージになるに違いない。

そして、現リングス・ミドル級王者ヒカルド・アローナのPRIDE参戦も内定したらしい。 リングスはリングス無差別級王者だったギルバート・アイブル、第1回KOKトーナメントの初代覇者ダン・ヘンダーソン、2001年KOKトーナメント準優勝のバレンタイン・オーフレイム、そして2001年KOKトーナメント王者のアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラと次々とトップ外国人選手をPRIDEに引き抜かれ大打撃を受けているところ、ついには8月11日リングス有明大会でリングスミドル級王者になったばかりのアローナまで引き抜かれてしまったようだ。これではリングスはまるでPRIDEへの入門テストの場、もしくは外国選手スカウトオーディションのようになってしまう。

更に、現修斗ミドル級王者アンデウソン・シウバもほぼPRIDE参戦が決まっているらしい。今まで修斗ミドル級王座に君臨し修斗で無敗を誇っていた桜井"マッハ"速人を8月26日に初の土をつけたアンデウソン・シウバはもちろん王者になったばかり。ついにPRIDEの引き抜きの魔の手は中量級・軽量級天国の修斗にも伸びてきた。

又、新日本プロレスの2強外国人レスラーの一人である元UFC王者ドン・フライも 9.24 プライド16に参戦することがほぼ決定した。 そしてついには、引き抜きではないがK-1ファイター達も対猪木軍団という形でPRIDEのリングに上がる可能性も非常に高くなった昨今、正にボーダレスでPRIDEのリングは格闘技・プロレスラーオールスター戦の様相を呈してきた。 色々な団体の選手が同じリングで対決するというのは格闘技ファンにとっては夢の対決が多く刺激的で嬉しい限りだがパンクラス、リングス、修斗とプロの総合格闘技メジャー団体から王者クラスの外国人選手を引き抜きまくるPRIDEにより、ルール無き外国人選手のギャラの高騰、トップ選手過多による選手の使い捨てなど多岐にわたる問題が噴出すのではないかと心配される。実際、PRIDEがK−1vs猪木軍を持ち込む方向性を打ち出したことによりPRIDE引退をかけるほどの意気込みで小川直也戦にのぞもうとしていた高田が参戦を拒否しているという。そうなれば、高田道場所属のスター選手桜庭の参戦も危ぶまれる可能性もでてきた。結果、どうなるか注目である。