4.29 全日本柔道選手権結果 日本武道館

無差別の今大会で篠原破れる!井上康生の時代到来か!


準々決勝 第1試合
近畿 5回目 旭化成 182cm 135kg 24歳
97年全日本選手権2位
00・01年全日本選抜体重別100kg超級2位
6分00秒 東京 1回目 明治大学
村元 辰寛
判定

矢嵜 雄大

現在は柔道とは関係ないが元柔道世界チャンピオンで今はプロレスラー/総合格闘家である小川直也が今でも稽古に通っている明治大学柔道部在籍の矢嵜とずっと篠原の練習パートナーを勤めてきた村元の興味ある対戦。代理対決と言えばこじつけだが、村元に軍配。



準々決勝 第2試合
推薦 6回目 183cm 100kg 22歳
98・00年全日本選手権 2位
99年世界選手権100kg級 金
00年シドニー五輪100kg級 金
1分35秒 九州 9回目 旭化成 188cm 135kg 31歳
01年嘉納杯優勝
井上 康生
一本勝ち

<浮落し>
下出 善紀

言わずと知れたシドニー五輪金メダリストの井上康生。身長で5cm、体重で35kg上回る下出が前へ出て大内刈りから内股へ変化しようとしたその瞬間、井上が驚異的な柔軟性とバランスをみせ浮落しで135kgの下出を見事に宙に舞わせ背中から畳に叩きつけわずか1分35秒程で一本。


準々決勝 第3試合
東北 1回目 綜合警備保障 180cm 100kg 26歳
5分40秒 推薦 1回目 JRA 174cm 81kg 26歳
00年シドニー五輪81kg級 金
小嶋 新太
一本勝ち

<内股>
瀧本 誠

こちらも言わずと知れたシドニー五輪金メダリストの瀧本誠。全日本ならではの対戦。世田谷学園出身で共に稽古した二人。ここまで瀧本は81kgの身体で初戦では27kg差、3回戦では何と54kg差の相手を破って勝ち上がってきた。しかし、そんな瀧本に対し小嶋は内股のフェイントに反応した瀧本に足払いを決め有効を先取。一本は免れた瀧本だが無理に身体を反したので頭をうつ。それでも瀧本は19kg差をもろともせず徐々に押していく。小嶋に指導。だが、その再開直後、小嶋が身体を浴びせながら内股で瀧本を叩きつけ一本。最後は両者気持ちよく握手をして別れる。小嶋はオール一本勝ちでベスト4進出。


準々決勝 第4試合
推薦 7回目 190cm 132kg 28歳
98・99・00年全日本選手権 優勝
99年世界選手権100kg超級・無差別 金
00年シドニー五輪100kg超級 銀
6分00秒 東京 3回目 172cm 123kg 20歳
99年全日本選手権 2位
篠原 信一
判定

棟田 康幸

身長はないが篠原を追いかける存在として注目されている棟田はその体型からか非常に受けの強く若干20歳。明治大学で吉田が教えている選手。一方、初戦2分35秒豪快な大外刈りで一本、2回戦1分04秒内股すかし一本で好調に勝ち進んできた篠原。一昨年は決勝で戦った二人。前回は力で圧倒された棟田だが今回は一進一退の攻防の展開。しかし、警告をもらい万事休す。


準決勝 第1試合
推薦 6回目 183cm 100kg 22歳
98・00年全日本選手権 2位
99年世界選手権100kg級 金
00年シドニー五輪100kg級 金
6分00秒 近畿 5回目 旭化成 182cm 135kg 24歳
97年全日本選手権2位
00・01年全日本選抜体重別100kg超級2位
井上 康生
判定

1 有効 0
村元 辰寛

うまく村元のつり手をころす井上。これも対戦も体重差35kg。揺さぶりをかける井上。4分13秒村元が消極で2つ目の注意で有効を井上に取られる。身体で押していく村元だが技が出ない。


準決勝 第2試合
推薦 7回目 190cm 132kg 28歳
98・99・00年全日本選手権 優勝
99年世界選手権100kg超級・無差別 金
00年シドニー五輪100kg超級 銀
2分28秒 東北 1回目 綜合警備保障 180cm 100kg 26歳
篠原 信一
一本勝ち

<支え釣込み足> 
小嶋 新太

ここまでオール一本勝ちで上がってきた小嶋だが篠原との体格差は歴然。身長差10cm、体重差32kg。袖釣込み腰をしかける小嶋だがそれを軽くしのぐ篠原。お互い奥襟を取り合うがこうなると大きい篠原が有利。小嶋は頭を下げさせられつり手がはなされる。篠原の支え釣込み足で小嶋がきれいに宙に舞う。


決勝
推薦 6回目 183cm 100kg 22歳
98・00年全日本選手権 2位
99年世界選手権100kg級 金
00年シドニー五輪100kg級 金
6分00秒 推薦 7回目 190cm 132kg 28歳
98・99・00年全日本選手権 優勝
99年世界選手権100kg超級・無差別 金
00年シドニー五輪100kg超級 銀
井上 康生
判定

篠原 信一

ついに決勝。やはり、この両雄が勝ち上がってきた。しかし、極真空手の大会などもそうだがトーナメントはワンマッチと違って非常に厳しい。推薦枠といえど両者ここまでに既に4試合をこなしている。試合は決勝にふさわしく一進一退の攻防。すごいパワーで井上を引きつけようとする篠原。3分を経過した頃井上が大外刈りを仕掛け、続いて背負い投げに連絡。危うく倒れそうになった篠原が大外をしのぐ。再度背負いを仕掛ける井上を上からつぶす篠原。残り1分井上の大内でぐらつく篠原。試合終了の瞬間微笑む井上。3度目の篠原・井上対決はついに井上が制す!
優勝の喜びに涙しながらインタビューに応える。「僕の中で最強だった篠原さん」に勝てて嬉しい、自分の力を出し切れたと満足げ。世界や五輪で金を獲っている井上の表情からこの全日本のタイトルの重さが伝わってくる。世界選手権、五輪、全日本を獲ったのは猪熊、岡野、上村、山下、斎藤に続き史上6人目の三冠獲得の快挙。