WBC・IBF・WBA統一世界ミドル級タイトルマッチ 12回戦 |
WBC・IBF世界ミドル級王者 米国 36歳 40勝(29KO)2敗1分1無効試合 183cm 71.2kg(計量時) |
12R 1分18秒 | WBA世界ミドル級王者 プエルトリコ 28歳 40勝(33KO)1敗 180cm 71.9kg(計量時) |
バーナード・ホプキンス |
TKO レフェリーストップ |
フェリックス・トリニダード |
無敗の”天才”と呼ばれたWBA世界ミドル級王者フェリックス・トリニダードの最強伝説が崩れ去った。WBC・IBF世界ミドル級王者バーナード・ホプキンスとの統一世界ミドル級タイトルマッチ。ここまでトリニダードは40勝(33KO)無敗という驚異的な戦績。1999年9月には時のスーパースターだったデラホーヤを破り、その後も強豪を次々と撃破。3階級で5つのベルトを腰に巻いた。対するホプキンスは1988年黒星プロデビューだったがそこから93年のIBF世界ミドル級王者決定戦でロイ・ジョーンズJr. に敗れるまで22連勝しており、95年には空位だった同王座を獲得。今年4月にはWBC同級王者のホームズを下し、WBC・IBFの2冠を統一した強者。そのラフ殺法から”死刑執行人”のニックネームで呼ばれる。 そのニックネームの通りホプキンスは試合前の会見でも、ニューヨークテロ事件の直後にもかかわらず「殺すか、殺されるか」などの今ニューヨークではタブーな言葉を連発し、キャップ帽子には「WAR」の文字、米や豆を「最後の晩餐」と言ってトリニダードに投げつけ、挙句にはトリニダードの母国プエルトリコの国旗も奪って投げ捨てた。デビュー前に強盗罪で5年ほど服役していたホプキンスは本当の悪なのかサービスなのか、悪役に徹し観衆のブーイングをさそった。余談だが、試合後ホプキンスはトリニダードとニューヨーク市民にそれぞれ国旗を投げ捨てた事と自分の悪態や言動を詫びた。感情を煽って盛り上げたホプキンスはプロ意識を持ったボクサーだった。 トリニダードにとってはプロ41戦目にして初黒星だ。ウェルター、スーパーウェルター、ミドル級と体重を上げてきたトリニダードだけにナチュラルなミドル級のホプキンスのパワーに苦しめられる。又、ベテランのホプキンスのディフェンスは鉄壁だ。天才トリニダードのパンチも空を切り、前に出ればホプキンスのジャブで止められ重い右ストレートが飛んでくる。焦りがつのるトリニダード。10ラウンドにはパンチの打ち合いになったがホプキンスのパワフルなアッパーがトリニダードをぐらつかせる。そして最終ラウンド、ホプキンスの右フックがカウンターでトリニダードのジョーにきまりトリニダードがダウン。なんとか立ちあがるが、セコンドについていたトリニダードの父親がリングに入り試合を止めた。結果はTKOだがポイントでも最高9ポイントも差がついていた。 トリニダードの世界戦連勝記録は20でストップとなった。ライトヘビー級統一世界王者のジョーンズJr. とのスーパーミドル級での統一戦の計画も遠のいてしまった。ホプキンスはマービン・ハグラー以来、14年ぶり2人目の3団体王座統一王者になった。6年半もの間伸ばし続けて来た連続防衛記録もミドル級の最多記録"怪物"カルロス・モンソンの14(IBF)に到達させたホプキンスは「ジョーンズJr.には興味はない。やるのなら5階級制覇したオスカー・デラホーヤだ。」とターゲットを定めた。 |