BOXING 7.1 WBA世界ライト級タイトルマッチ さいたまスーパーアリーナ
畑山、チャレンジャーのごとく攻め込むが判定で惜敗




WBA世界ライト級タイトルマッチ 12回戦
挑戦者 フランス
169cm 60.8kg リーチ174cm
48勝(35KO)2敗2分 KO率67.3%
12R チャンピオン 日本 25歳
173cm 61.2kg リーチ177cm
24勝(19KO)1敗3分 KO率67.9%
ジュリアン・ロルシー
判定
118-110
117-112
119-111
畑山 隆則

日本人で5人目の2階級制覇を成し遂げたWBA世界ライト級チャンピオンの畑山に、今までに世界戦を5度経験している元WBAライト級チャンプ、現WBA世界ライト級1位のジュリアン・ロルシーがチャレンジしたこの一戦。

1R 両者共サウスポー。ワンツーを当てに行くチャンピオン畑山だが挑戦者ロルシーは左3連アッパーで返してくる。1R終了間際、畑山がロルシーをロープにつめて打ち下ろすような右ストレート。

2R 頭を下げて接近して来るロルシーをアッパーで起こそうとする畑山。ロルシーの左ジャブは良く伸びる。逃げるロルシー、間合いをつめる畑山。2R終了間際も畑山がロルシーをロープ際につめてパンチのラッシュ。しかし、非常にガードのしっかりしているロルシー。

3R 互いに頭をつけ合ってのパンチの打ち合いで畑山がぐらついたように見えた瞬間がある。ロルシーの右ストレートと左アッパーもいい。畑山はチャンピオンであるにもかかわらず、足を使って逃げたりせずファンを喜ばすため前へ前へとでて打ち合っていく。何度かロルシーのパンチがヒットし畑山がバランスを崩す場面も。しかし、3R終了間際も畑山がラッシュでプレッシャーをかける。左まぶたのあたりをカット、出血している畑山。

4R 畑山が追い、ロルシーが逃げる展開。途中、ロルシーの左、右、左ストレートの3連打が畑山の顔面にヒットするが気合ではね返し更にプレッシャーをかける畑山。しかし、ロルシーのガードは崩しきれない。
5R 休まず打ち合う両者

6R 開始のゴングと同時にリング中央に飛び出る畑山。またもやロルシーをロープにつめる畑山だが、ロルシーに巧みなディフェンスで逃げられる。

7R また、畑山がロープにつめて7R終了のゴング。

8R 接近戦でも畑山の良いパンチがヒットするが、ロルシーが頑丈なのか、びくともしない。

9R 9Rとは思えない激しい打ち合いを続ける両者。

10R ほとんどここまでクリンチが無くよどみなく流れる試合だったが、ここへ来てロルシーが2回ほどクリンチ。少しバテたか?しかし、両者動きが落ちない。さすがタイトルマッチだ。

11R 非常に良いフットワークが続くロルシー。それを追い詰めようとする畑山のフットワークもすばらしい。まるで挑戦者のようにアグレッシブに試合を進める畑山。

12R どうにかKOしようと攻める畑山。すばらしい試合だった。判定はジャッジ3者ともロルシーへ。畑山は残念ながら王座転落だが、試合内容は常にアグレッシブで観客をわかし続けたプロの仕事だった。