BOXING 10.14 マイク・タイソン vs ブライアン・ニールセン 結果
タイソン、一年ぶり復帰戦をKOで飾る




かつて地上最強と呼ばれた男が一年ぶりにリングに戻ってきた。”鉄人”マイク・タイソンは相変わらず私生活ではトラブルが多いが今回は試合に対する調整がうまくいったようだ。体重は過去最重量の108.6キロを記録。今までの最重量だった2000年1月のノンタイトル戦時の101.5キロを約7キロを上回った。しかし、これは不摂生からではなく、身長・体重共に大きくタイソンを上回る今回の対戦相手のニールセンに対抗すべく、NBA選手の多くを指導する名コンディショニング・トレーナーを呼び、大胸筋と脚の上部を科学的トレーニングで鍛え、全身もビルドアップした結果だ。

対するブライアン・ニールセンは84年バルセロナ五輪スーパーヘビー級銅メダリストでデンマークでは英雄だ。これまでプロでも63戦して1敗だけ。しかも、ダウンしたのは生涯一度だけだという。ラリー・ホームズやタッブスなど元世界王者を倒してきた実力者。

ヘビー級ノンタイトルマッチ 10回戦
元統一世界ヘビー級王者  35歳
49勝(43KO)3敗2無効試合
182cm 108.6kg(計量時)
7R 0分1秒 WBA世界ヘビー級13位  36歳
62勝(43KO)2敗
193cm 117.8kg(計量時)
マイク・タイソン
TKO
(ニールセンの戦意喪失)
ブライアン・ネールセン

1ラウンドからパンチを繰り出し、身長で約11センチ、体重で9キロも上回る北欧の巨人・ニールセンにプレッシャーをかけるタイソン。左右のボディーフックやアッパーをニールセンに叩き込む。2Rには左目じりをカットしてしまうニールセン。そして、3Rにはタイソンが左フックをニールセンにぶち込んでニールセンから生涯2度目のダウンを奪う。ニールセンの執拗なクリンチや挑発にも落ち着いて対処し、ニールセンをめった打ち。7R開始時にはニールセン初の戦意喪失(ギブアップ)により、タイソンのTKO勝ち。タイソンが7Rまで戦ったのは、1996年11月のホリフィールド第1戦(結果はタイソンの11回TKO負け)以来ということでタイソンにとってはよい経験になったはず。タイソン曰く、後ノンタイトル戦を2試合すれば完全復活するだろうとのこと。世界戦がまたこの最強男の射程距離内に入ってきた。