格闘技・プロレスの流派・団体・組織ファイル Vol.1



剛柔流空手道


伝統派空手の4大流派のひとつ。
那覇手の大家であった東恩納寛量が中国拳法のエッセンスを取り入れて創造した三戦や転掌の型によりできた独特の空手。それをさらに練り上げ、接近戦を得意とするこの空手を剛柔流と命名した宮城長順。そして、宮城長順から命を受け、剛柔流を日本に普及させ、世界に知らしめた最大の功労者が山口剛玄である。
剛柔流といえば、日本で初めて名乗りを上げた流派である。昭和5年に宮城長順が命名したが、それまでは那覇手と首里手の区別しかなかった。

技術的な特徴としては、円運動を重視し、猫足立ちなどからの接近戦を得意とする。三戦立ちで行う呼吸法である「息吹」や転掌といった独特の型やパワフルで激しい戦法で知られている。

組織としては山口剛玄の手によって昭和25年(1950年)5月に「全日本空手道剛柔会」が設立された。当時、全国の剛柔流空手の同志に呼びかけたところ約3万人がそれに呼応したという。そして、剛柔会は一大組織となった。昭和39年(1964年)には連盟を結成するための発起人として山口剛玄が名を連ねていたので「全日本空手道連盟剛柔会」となったが10年後の昭和49年(1974年)に剛玄が全空連を脱退すると同時に剛柔流は「全日本空手道連盟剛柔会」と剛玄率いる「全日本空手道剛柔会」の2つに分かれてしまった。「全日本空手道剛柔会」の方は剛玄の3人の子息である剛正、剛仙、剛史が継承している。
現在、「全日本空手道剛柔会」の支部は全世界約40カ国にあるという。