JUDO K-1 PRIDE 高田道場
8.28 Dynamite! でバルセロナ五輪柔道金メダリスト吉田秀彦が総合格闘技デビュー!



8月は格闘技の巨大イベントが2つある。一つは8.8 「Legend」。小川直也が所属するUFO主催の東京ドーム大会。小川直也をはじめ、現PRIDEヘビー級王者のアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラや現パンクラスライトヘビー級王者の菊田早苗らの出場が決まっている。

そして、もう一つがこの 8.28 「Dynamite !」。日本の2大格闘技組織である K-1とPRIDE が手を組んで開催する巨大格闘技イベント。会場は10万人を収容できる国立競技場。もちろん、成功すれば格闘技界の興行で最大規模になる。

現在、2カードが決まっており、いずれもメインイベントに成り得る凄いカード。
一つは約300日ぶりに復帰する日本格闘技界のホープこと桜庭和志が「プロレスラーハンター」と呼ばれ、今ではK-1及び総合格闘技の双方で台風の目となっているミルコ・クロコップと激突。日本の格闘技界・プロレス界としてはミルコの勢いを止める最後の切り札といっても良い桜庭だがヴァンダレイ・シウバにPRIDEのリングで2連敗し、肩を負傷、300日弱のブランク、ルール、ミルコとの体重差など不安視される問題は山積みだ。

現在、ルール及び体重差問題に関して交渉が続けられているがミルコサイドは打撃系に有利な1ラウンドの時間を3分を主張。体重差に関してもミルコ曰く「体脂肪率5%以下でどうやってこれ以上減らせというのか」とこれ以上減量できないと主張。それに対し、桜庭サイドは「ウエイト・トレーニングをやめれば体重は減るでしょう。」と主張。更にラウンドの時間はPRIDE の通常ルールの1R目10分、2・3R目は5分を主張。そして、中途半端な判定なしの完全決着ルールを突きつけた。体重に関しては桜庭が85キロに対してミルコは103キロ。約18キロ差は格闘技の世界ではいかんともし難く桜庭サイドはPRIDEのミドル級リミットの93キロ以下にミルコが体重を落とすように要求している。それでもまだ体重差があり、ルールに関しても体重が軽い桜庭サイドの要求の呑むべきとの見方が強い。

そして、もう一方のカード。92年バルセロナ五輪柔道金メダリストの吉田秀彦が遂に総合格闘技のリングに上がる。柔道をベースにした総合格闘家は多いが、柔道で世界の頂点を極めその柔道現役引退すぐにプロの総合格闘技のリングに上がった者は少ない。「柔道界にいい影響があればと思って出場を決断した」という吉田の相手はあのホイス・グレイシー。米国ノールールの老舗、初期UFCで無敵の強さを誇り天下にグレイシー旋風を知らしめた猛者だ。米国ではヒクソンより有名なホイスはエリオ・グレイシーの5男。そのホイスの父・エリオは51年前にブラジルのサッカースタジアムにおいて不世出の柔道家・故木村政彦と柔術マッチで戦い生涯唯一の敗戦を喫した。つまり、今回の吉田vsホイスの対決は51年前の日本柔道vsグレイシー柔術因縁対決の再現といえる。場所もサッカーが出来るほどの規模のスタジアム。それゆえ、ホイスも道着を着ての対決を主張。更にホイスとしては経験があり有利と成るはずの打撃技の禁止も提案。正に51年前の対決を再現しようとの考えだ。いずれにせよ、実現すればハイレベルの激闘必至だ。

吉田は現在自分の道場で柔道の女性や子供を含む後進を育てる指導を行いながら、柔道時代に同期だった元リングスでUFCなど総合格闘技で活躍する高阪と総合のトレーニングに励んでいる。同じ大会に出場する桜庭のところにも習いに行く考えも明かした。