12月21日都内で非常に残念なことに小川サイドが猪木祭り2への出場を見送ると発表した。UFO所属の小川とUFO川村龍夫社長が会見を開き、大会運営を行うドリームステージエンターテインメント(DSE)とUFOの間で仲介役を任されていたK-1プロデューサーの石井和義館長に交渉の白紙撤回を通告されたと説明。川村社長曰く18日に都内で石井館長、小川、川村社長の3人で最終交渉に臨んだが、交渉は難航し、翌19日朝に石井館長から「小川さんの交渉に関して白紙に戻したい」とのメッセージが川村社長の携帯の留守電に届いたという。小川側は標的としたアーツ、バンナ以外に、妥協案としてベルナルド戦も提示したが、期限切れを理由に断られたと説明。川村社長は「ファイトマネーとか含めて、うまくいかなかった。」と肩を落とした様子。
小川自身も「今はやり場のない気持ちです・・・妥協案としてベルナルドという返事もしたんだが、白紙撤回と言われてしまっては。あきらめきれないけど…」と自分は戦いたかったのに石井館長に断られてがっかりしているといった未練が残るといった様子で話した。
しかし、事実はかなり小川サイドの会見内容とは異なっていたようだ。その小川サイドの緊急会見のおよそ1時間後に石井館長が怒りの反論会見を開いた。「猪木祭リ2に欠場する理由が、私が断ってきたからなんてとんでもない話だ。そんな話を会見ですること自体が信じられない。事実を伝えなくてはいけない」と事実に反した内容を発表した小川サイドに不快感を露わにした。
石井館長によると、実際に交渉期限の18日に小川、川村社長と最終交渉し、結局その日に小川サイドから返事を得られなかった為、翌19日の朝に「この話は白紙に」と小川サイドに伝えたのは事実だという。18日が交渉期限だったのは放送するTBSとの絡みや新聞広告等との関係で18日がリミットであり、それを知っていながら小川側が返答しなかったために決裂したと述べた。
しかし、それ以外の部分で小川サイドの会見内容が事実に全く反しているという。事実をはっきりさせる為、石井館長は小川サイドとの交渉内容を白日の下にさらした。石井館長の説明によると小川のPRIDE初登場の時のファイトマネーが2000万円だったが、今回の猪木サイドの予算が3000万円。しかし、小川サイドからは返答を得られず、この猪木祭り2では猪木軍の敵となるK-1の石井館長が敵に塩を売る形で猪木、DSEから仲介役を依頼されそれを引き受けた。プロデューサーとして猪木祭り2を成功させる為、又、ファンの夢を叶える為、石井館長は何と敵の選手のファイトマネーに身銭を切ると提案。5000万円まで引き上げて交渉したが、小川サイドから返答はなし。最終的に対戦相手をジェロム・レ・バンナという条件で8000万円まで上げて最終交渉にのぞんだが小川サイドの提示した条件は何と相手は12月のK-1で怪我をしているピーター・アーツでファイトマネーは1億円だったという。猪木サイドが3000万円、石井館長サイドが5000万円を出し、相手もファンが望む最高のあいてバンナを用意したが、それでも小川サイドに断られ、大会まで2週間をきり交渉期限を過ぎてしまった今、石井館長も諦めた。
両陣営の会見内容に相当な食い違いがあるが、ファイトマネーについての具体的な数字や、実際に対戦相手のバンナを用意したと交渉決裂以前に正式に発表していた石井館長サイドの会見内容に真実性が感じられる。石井館長曰く、「小川さんは最初から戦う気は無かったようだ。こんな不条理なことはない。前代未聞。」と言っている。もちろん、プロレスラー、プロ格闘家としては自分のファイトマネーを吊り上げるのはプロとしてあたりまえ。そして、真剣勝負の場合はある意味選手生命や命そのものも懸けて戦う覚悟が必要でその対価としてのファイトマネーは当然強気の要求を選手サイドはすべきであり、高いファイトマネーが実現することによってプロレスラーやプロ格闘家のステータスも上がり、それによってより多くの良い人材も集まり、業界全体のレベルアップや繁栄につながることは確かである。そして、大晦日の試合で怪我でもしたら既に発表されている新日本プロレスの1.4ドーム大会に穴をあけて新日本にしかし、である。普段から「おもしろければいい」、「プロレス界のため」、K-1との対抗戦についても「K-1の一番強い奴をつれて来い」というような発言をしている小川が、ファンが望む大一番、そして格闘技界やプロレス業界の認知度やメジャー化に大きく影響するであろう猪木祭り2を自分勝手に欠場してしまうことにファンや関係者は納得がいかないだろう。
当初、猪木祭り2を運営するDSEに対しての不信感があると公言し猪木祭り2への不参加を匂わせてきた小川だったが、石井館長の発表がすべて事実とするならば、不条理な1億円の要求と怪我をして満足に戦えないであろうピーター・アーツを対戦相手に指名したというのは正にK-1のトップ選手、特に身体能力の高いバンナとの対戦を避けたとしか言いようが無い。しかも、師匠猪木の顔に泥を塗り、ファンの期待を裏切ってまで戦いから逃げた小川がドラマ出演で学んだのは「自分は戦いたかった」という振りをする猿芝居だったのか。
小川の師匠・猪木は「藤田は”ギブスを取ってでも出たい”といってくれてるし、ノゲイラも無報酬での参戦を受けてくれた。もう個人というレベルを超えて立ち上がってくれているのに小川はお金にこだわって・・・」と嘆いたがその後猪木は潔く「おれが出るしかない」と自分の顔に泥を塗った弟子を悪く言うことは無かった。しかし、もし58歳の猪木がK-1の現役バリバリの選手と試合をするとなればそれこそ命の危険さえある。それに対し、アキレス腱断裂により全治6ヶ月と言われている藤田が「猪木さんの出場が決まるようなことになれば、自分が車椅子に乗ってでも出場してそれを阻止しなければならない。」と発言、小川には無い男気をみせた。